QUICK SAVE
- 2025年9月の44,980円から、2026年8月には299,800円まで上昇した
- 大きな境目は2025年10月から12月。2か月で約5万円から約24万円になった
- 2024年は32GB×4枚、2025年2月以降は主に64GB×2枚なので、完全な同一商品比較ではない
PCに128GBのメモリを積もうとして、見積もりの金額を二度見した。そんな人もいると思います。
少し前まで、DDR5の128GB構成は4万〜5万円ほどで現実的に手が届くものでした。それが2026年8月時点では、安いものを探しても30万円近い水準です。メモリだけで、ミドルクラスのPCが一台組めそうな金額になりました。
いったい、いつからここまで高くなったのか。2024年1月から2026年8月24日までの国内実売価格を並べると、値上がりの境目はかなりはっきり見えてきます。
先に結論:値段が跳ねたのは2025年秋
2024年から2025年夏までは、多少の上下はあっても128GBで4万〜5万円台でした。空気が変わったのは2025年10月です。
| 時点 | 128GBの価格 |
|---|---|
| 2025年9月 | 44,980円 |
| 2025年10月 | 50,600円 |
| 2025年11月 | 119,980円 |
| 2025年12月 | 239,580円 |
| 2026年4月 | 278,000円 |
| 2026年8月 | 299,800円 |
9月まではいつもの価格帯に見えます。ところが11月に10万円を超え、12月には約24万円。安定していた時期が長かったぶん、この2か月の変化は急でした。
2025年9月の44,980円と2026年8月の299,800円を比べると、差額は254,820円。倍率にすると約6.7倍です。「少し値上がりした」という言葉では収まらない変化でした。
2024年は、まだ4枚挿しが現実的だった
2024年の128GB構成は、32GBのメモリを4枚使う方法が中心でした。年間を通しておおむね4万〜5万円台で、11月には39,160円まで下がっています。
この頃なら、仮想マシンを複数動かしたい人や、大きなデータを扱う人が「余裕を見て128GBにしておこう」と考えられる価格でした。必要性に迷っても、将来への保険として選べる範囲だったと思います。
ただし、4枚挿しはマザーボードやCPUとの組み合わせによって、メモリ速度を落とさないと安定しないことがあります。価格だけでなく、対応メモリ一覧や利用できるクロックも確認しておきたいところです。
64GB×2枚が買いやすくなった2025年前半
一般消費者向けの64GB DIMMが国内で目立ち始めたのは、2025年2月頃からです。これ以降は、64GBを2枚使って128GBにする構成が中心になりました。
4枚ではなく2枚で済むので、空きスロットを残しやすく、メモリコントローラーへの負担も抑えやすい。大容量が必要な人にとっては、待っていた選択肢でした。それでも2025年春から夏の価格は44,000〜50,000円ほどで、32GB×4枚だった前年と大きく離れていません。
振り返ると、容量、扱いやすさ、価格のバランスがもっとも良かったのはこの時期です。2025年6月から9月までは、4か月続けておよそ45,000円前後でした。
2026年は「待てば下がる」とも言いにくい
2026年に入ると、1月の248,000円から3月の221,980円まで少し下がりました。ここだけを見れば、急騰後の調整にも見えます。
しかし4月には278,000円へ戻り、5月以降は29万円台で推移しました。8月24日時点の集計価格は299,800円です。春先の下落を待っていた人にとっては、手を出しづらいまま再上昇した形です。
DRAM市場全体では、2025年後半からサーバー向けDDR5の需要が強まり、PC向けメモリの供給も締まりました。TrendForceは2025年9月時点で、メーカーが先端プロセスの生産能力をサーバーDRAMやHBMへ寄せ、PC向けDDR5の供給が制約を受けていると報告しています。同年11月には、DDR5チップのスポット価格が1週間で30%上がったとも伝えています。
ただし、市場全体のDRAM価格と、国内で売られる特定の128GBキットの最安値は同じものではありません。今回の価格表だけから、30万円になった理由を一つに決めることはできません。大容量キットは製品数や流通量が少なく、在庫の偏りや販売店の違いも価格へ出やすいと見ておく方がよさそうです。
月ごとの価格を並べて見る
下の表は、DDR5-5600、非ECC、Unbuffered DIMMで合計128GBになる構成の税込最安値を月ごとに整理したものです。
| 月 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 51,960円 | 43,960円 | 248,000円 |
| 2月 | 51,600円 | 48,100円 | 223,980円 |
| 3月 | 46,560円 | 51,560円 | 221,980円 |
| 4月 | 53,560円 | 46,380円 | 278,000円 |
| 5月 | 51,960円 | 48,100円 | 293,800円 |
| 6月 | 52,760円 | 44,780円 | 293,800円 |
| 7月 | 53,560円 | 44,780円 | 299,800円 |
| 8月 | 51,400円 | 44,980円 | 299,800円 |
| 9月 | 47,960円 | 44,980円 | — |
| 10月 | 44,760円 | 50,600円 | — |
| 11月 | 39,160円 | 119,980円 | — |
| 12月 | 43,960円 | 239,580円 | — |
ここで注意したいのは、期間の途中で構成が変わっていることです。
- 2024年1月〜2025年1月:32GB×4枚で128GBとして換算
- 2025年2月以降:原則として64GB×2枚の128GBキット
- 2025年3月:64GB単体の最安値を2枚分に換算
つまり、同じ製品を2年半追い続けた表ではありません。「その月に、一般的なデスクトップPCで128GBを用意するには最低いくら必要だったか」を見るための集計です。クロックやタイミング、ヒートシンク、メーカーまで揃えた比較ではない点には注意してください。
今128GBが必要なら、先に用途を確かめたい
30万円近い価格では、「念のため多めに積む」という買い方はしにくくなりました。ローカルで大きなAIモデルを動かす、複数の仮想環境を常時立ち上げる、大容量データをメモリ上で処理するなど、128GBでなければ困る作業があるかを先に確認したいところです。
64GBで足りる可能性があるなら、まず実際の使用量をタスクマネージャーなどで測る。128GBが必要なら、64GB×2枚だけでなく32GB×4枚も含め、マザーボードの対応状況と安定性を見ながら総額を比べる。完成品PCやワークステーションの構成価格まで広げると、メモリ単体で買うより納得できる選択肢が見つかることもあります。
以前の4万円台を知っていると、今の価格で買うのはどうしてもためらいます。それでも、仕事を止めるほど不足しているなら必要経費です。反対に、将来使うかもしれないという理由だけなら、焦って30万円を払う前に、一度いまの使用量を測ってみるのがよいと思います。
調査条件と参照先
価格は日本国内の税込実売価格・最安値を基準に、2026年8月24日時点で整理しました。販売店、在庫、メーカー、クロック、タイミングによって実際の購入価格は変わります。